平成25年に東京都が帰宅困難者対策条例を施行したのを皮切りに、その他の自治体でも条例の制定やガイドラインが発表されています。
とはいえ、大手企業でもない限り、なかなか行動に移すのは難しいと思います。
現在は事業者に対する罰則のない努力義務程度ですが、今後もし何かあった時に、場合によっては企業が責任を追及されないとも限りません。
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【都心部は特に危険】群集雪崩
都心部は帰宅を試みること自体が、命の危険を脅かすといわれています。
都心部では、首都直下地震が起きると、帰宅困難者であふれ返り、満員電車並みのほとんど動けなくなるような混雑が予想されています。
そして、かつて兵庫県明石市の歩道橋で花火大会の見物客が折り重なって倒れて複数の死者を出したような、「群集雪崩」が懸念されています。
詳しくはこちら
それでもあなたは帰りますか? ~帰宅困難者の「危険な誤解」とは(NHK)
ただでさえ、人がぶつかるほどの都心部で、一斉に帰宅・避難が始まると、危険な状態になることは容易に想像できます。
ここでは「帰宅しない」「帰宅させない」ために、内閣府のガイドラインに沿って、企業で用意しておくべき備蓄品、防災グッズをご紹介していきます。
内閣府の帰宅困難者対策ガイドライン
内閣府が平成27年3月に示した「大規模地震の発生に伴う帰宅困難者対策のガイドライン」の中の参考資料2として、「一斉帰宅抑制における従業員等のための備蓄の考え方」があります。(参照:内閣府防災情報のページ 帰宅困難者対策)
当然ですが、対象者は雇用形態に関わらず、その施設で勤務する従業員全員です。
施設の場合、従業員だけでなく利用者も該当しますので、しっかりと対策をしておく必要があります。
- 水については、1人当たり1日3リットル、計9リットル
- 主食については、1人当たり1日3食、計9食
- 毛布については、1人当たり1枚
その他の物資(特に必要性が高いもの)
- 毛布やそれに類する保温シート
- 簡易トイレ、衛生用品(トイレットペーパ等)
- 敷物(ビニールシート等)
- 携帯ラジオ、懐中電灯、乾電池
- 救急医療薬品類
先述の東京都のように条例化している自治体もありますが、多くありませんので、上記の内閣府のガイドラインを基に、企業で用意しておくべき備蓄品を考えていきます。
1人あたり3日分を完全に用意するのは、量や置くスペースの確保が難しい場合があるかもしれません。
かといって、備蓄が何もないというのは論外なので、まずは水からでも、できる量・できる範囲ですすめていきましょう。
企業・施設が用意しておきたい備蓄品
保存水
買い替えの手間とコストを考えると、保存水は賞味期限が長めのものを購入することをおすすめします。
大人数でない限り、2Lのペットボトルで紙コップを配って都度注いで回るよりも、500mlのペットボトルの方が扱いやすいです。

非常食
おにぎり
お水で戻せるアルファ米のおにぎりです。
日本人にとっては、冷たくてもおいしいと感じるおにぎりは、オフィスの非常食に持ってこいです。。

パン
帰宅が困難で会社に留まるわけですので、高い確率で停電していることが予想されます。
アルファ米もいいですが水を使いますので、そのまま摂取できるパンやビスケットが多めの方がいいですね。
缶詰なのにふわふわ
アキモトのパンの缶詰PANCANは、賞味期限37ヶ月です。

ビスケット
5年3ヶ月保存
長く食べ親しまれてきたビスコの「5年3ヶ月保存」の備蓄保存缶です。
味は通常ビスコと変わりませんが、長期保存できる、お腹にもたまるお菓子はぜひ備蓄しておきましょう。

ようかん
5年6ヶ月保存
1本171kcalで手軽にカロリー補給ができるようかんです。
手で簡単にきれいに開きます
アレルギー対応
コク深い美味しさで、アレルギー物質不使用なので、どなたでも安心して食べることができます。
あんまんやあずきバーで「あずき」を知り尽くした井村屋さんの安定の味と品質です。

保温シート
防災グッズ定番のアルミブランケット。
毛布よりも保温性に優れた省スペースの保温グッズです。

簡易トイレ
断水になると、飲み水と同時に困るのがトイレです。
大事です。
BOSシリーズのすごいところは、驚異的に臭わないところ。
子供(赤ちゃん)の使用済みおむつ入れにBOSを使っていましたが、あまりにも臭わないので、普通に口を閉じてゴミ箱に入れていたほどです。
会社・施設にトイレ自体はありますので、こちらの便座なしタイプで十分です。
同じビニール袋でも他の袋だと随分と臭うんですよね。
こればかりはすごかった。
育児生活で1、2を争うほどおすすめの商品で、いろんな人に紹介しました。

寝袋・敷物
ブルーシートよりも個人個人で使える安価な寝袋を用意しておくことをおすすめします。
アルミの寝袋は風、寒気を通さず、保温機能が抜群です。
携帯ラジオ
- スマホ・ガラケー充電
- AM/FMラジオ
- ライト(懐中電灯機能)
- サイレン機能(できれば)
- 乾電池式充電
- USB充電(できれば)
- 手回し充電
- 蓄電機能

ラジオは1人に1つ必要ではありませんので、会社・施設の状況に応じて、いくつか購入されるといいですね。

ランタン・懐中電灯
ランタンを用意しておくと、一帯が明るくなるため、オフィスの広さによって、いくつか用意しておきましょう。
LEDライトの人気メーカー「GENTOS(ジェントス)」のライトはおすすめです。


懐中電灯も1人に1ついりませんが、停電時に会社や施設ではトイレに行くのも大変ですので、懐中電灯も用意しておいた方がいいですね。
Panasonicの「電池がどっちかライト」は、単三もしくは単四電池の「どっちかあれば使える」LEDライトなので便利です。

乾電池
液漏れ防止乾電池
乾電池は多めに用意しておくことをおすすめします。
Panasonicのエボルタネオなどは自己放電が少ないので、ある程度買い溜めしていても問題ありません。
液漏れした乾電池
メーカー名は伏せていますが、我が家の電卓に使っていた安価な乾電池は、このように液漏れしていました。

電化製品の回路にまで入ってしまうと、故障したり、発火のおそれもあります。
安い乾電池がお得に見えて買ってしまいがちですが、安全に長持ちする液漏れ防止の乾電池を使うことをおすすめします。
救急医療薬品類
必ず置いておきたい救急用品は、包帯、ガーゼ、絆創膏、はさみ、ピンセット、爪切り、マスクなどです。
まとまったセットがありますので、事業所の人数にあわせて用意していきましょう。
企業向け備蓄・非常食・保存水まとめ
防災グッズメーカーは中小企業がほぼすべてで、大量に在庫を抱えているわけではないため、災害が起きた直後は注文が殺到して品薄になります。
欲しい時に手に入りませんので、企業など数がまとまっている場合は、特に平時のうちに用意しておくことをおすすめします。
個人で用意しておくべきオフィス用防災グッズはこちらから。
