安価でコストパフォーマンスに優れている「SHELTER」に近いものが100均で揃えられるのであれば、価格的にもお得かもと思い、100円ショップへいきました。

キャンドゥ大型店も行きましたが、防災グッズになりそうなものはほとんどありませんでした。
いずれも大型店に行きましたが、店舗やタイミングによって品揃えや在庫は大きく異なります。
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結論:100均の商品(防災グッズ)をベースに防災セットを揃えるのはおすすめしません
防災グッズに必須なアイテムを100均のみで揃えるのは非常に難しいです。
また、当然ながら、防災グッズメーカー各社が販売している防災セットのグッズと比べると、機能性が劣るのは否めません。
- アイテムが揃わない
- 日用品やトラベル用として作られていて防災を想定したものではない
- 日用品としては十分でも、災害時の実用として考えると頼りない
- 手回しラジオなど、単価の高いものが揃わない
- 非常食・保存水がない
- 簡易トイレなどは1回分なので、何個も買わないといけない

100均防災グッズのショップ別商品一覧表


必要な防災グッズのうち「100均で何が揃うか、何が足りないか」を表でまとめています。
100均 | ||
---|---|---|
金額 | ||
リュック | ||
保存水 | ||
非常食 | 非常用カレーのみ |
|
懐中電灯 | 電池式 |
電池式 |
AM/FMラジオ | ||
携帯・スマホ充電器 | ||
ランタン | 電池式 |
電池式 |
給水袋 | ||
エアーマット | ||
寝袋 | ||
アルミブランケット | ||
簡易トイレ | 1回分 |
1回分 |
着替え・トイレ用目かくし | ||
ウェットティッシュ(体ふきシート) | ||
歯磨きシート | ||
救急セット | ||
アイマスク・耳栓・エア枕 | ||
軍手 | 紙皿 | |
スリッパ |
- PDFファイル(A4印刷可)
簡易トイレは1回分なので最低3つは欲しいところです。
保存水、非常食などは別で購入する必要があります。
同じく別購入のダイナモラジオライト(手回し充電可能でスマホ充電機能を備えたラジオ付き懐中電灯)は3,000~5,000円程度するのを考えると、あっというまに10,000円程度にはなります。


100均と「同程度の品質」「同程度の価格」の防災グッズを「一気に揃える」なら、「山善 防災バッグ30」の方が手っ取り早いかもしれません。

100均防災グッズの全商品レビュー
リュック

ダイソーにはリュックが300円であります(店舗・在庫状況による)。
- 停電時の安全を考慮した反射材、蓄光材付き
- 必要なものが入るサイズ
- 雨天時、豪雨避難時に必要な防水性
- 痛くならない肩ベルトのクッション性

ダイソーリュックは反射材がついていない
反射材がないと、信号も街の灯りもない停電時には交通事故の危険性が高まります。
災害時はドライバーも気が動転した中で慌てて車を走らせていますので、普段なら目に付くようなものも見逃してしまいがちです。
万が一、事故にあった場合、救助・治療が平時のように円滑にいかないことも頭に入れておく必要があります。
ダイソーリュックはサイズが小さい
ダイソーリュックは40×32×16cmです。
我が家が購入したSHELTERのリュックは、55×31×21cm。
数字上ではさほど違いがないように感じますが、並べるとこうも異なります。
必要なものを詰めていくとわかりますが、物は思ったよりも増えていきます。
防災グッズをいくつか入れたらいっぱいになりますので、実用的ではありません。
ダイソーリュックは防水タイプではない
ダイソーリュックは防水加工されていませんので、雨が降ると水を吸って重くなりますし、中に入っているものまですべて濡れてしまいます。
近年は、豪雨災害も増えていて、台風が絡むと確実に傘は差せませんので、防水は必須です。
防水スプレーをする手もありますが、スプレーでは大きな効果は期待できないと思っていた方が良いです。
ダイソーリュックは肩ベルトのクッション性が低い
ある程度の荷物を入れて家族を気にしながら時には走って避難するため、クッション性のある肩ベルトでないと擦れて痛くなってしまいます。
ダイソーリュックはクッション性があまりないため、災害時の避難やアウトドアには向かないと思います。
ダイソーリュックのその他の特徴
メインのポケットと、表下部のポケットの2ポケットのみです。
SHELTERリュックは5ポケットで、ペットボトル、財布、レインコートなど様々なものが入れやすく、出しやすくなっています。
また、ダイソーリュックは、両方の肩ベルトを前で留めるフロントストラップが付いていません。
これがないと安定性が極端に下がってしまいます。
ダイソーリュックまとめ
300円のリュックとしては「言うことなし」「街歩きには問題ない」ですが、防災用を前提として作られたリュックではありませんので、防災リュックには向きません。
安価に済ませたいところですが、防災グッズは安全を買うもののため、それを入れる「要」ともなるリュックは、しっかりとしたものを用意しておくことをおすすめします。


保存水
保存水は100均にはありませんでした。
通常のペットボトルは半年~長くて1年半程度しか賞味期限がありません。
保存水
賞味期限を頻繁に気にしてチェックできない方(私がそうです)は、5年以上の保存水を用意されることをおすすめします。

非常食
温めずにおいしく食べられるカレー職人(グリコ)

私が行ったダイソー、セリアの100均大型店で唯一非常食になりうるものが、このグリコの「温めずにおいしく食べられるカレー職人」でした。
実際にあたためずに食べてみましたが、おいしくいただけます。
非常食の代表格であるアルファ米はさすがに100円ではありませんでした。

青汁


災害時は物流がストップするため、野菜が長期に渡って手に入りづらくなります。
東日本大震災の時は、ビタミン不足にあわせてストレス、口腔環境の悪化から口内炎や便秘になった人が多くいました。
自宅での備蓄用と持ち出し用の防災セットともに野菜ジュースに加え、青汁を用意しておくといいですよ!

懐中電灯


ダイソー、セリアともに電池別売りの懐中電灯(別途電池が必要)です。
2018年9月6日に起きた北海道胆振東部地震では、全面復旧まで一週間超と発表があり、地震翌日には多くの方がスマホ充電ができず困っている映像が何度も流れていました。
乾電池式は乾電池がなくなると使えませんし、急な需要の高まりで被災地では乾電池が不足することも考えられます。(実際にホームセンターには開店前から行列ができていました)


通常、防災セットに入っている懐中電灯はダイナモライトといって、乾電池なしで手動で充電ができるタイプのものが入っています。
また、各社のダイナモライトは、延々手動しなくていい蓄電タイプでもありますし、災害時に必須なAM・FMラジオ、ガラケー・スマートフォンの充電器も兼ねているものがほとんどです。
しかし、スマホ充電できる蓄電タイプのダイナモラジオライトを単品で購入すると3,000円以上はしますので割高です。
私が防災セットを1つだけでも購入することをおすすめする理由の一つがこの「単品だと割高」ということです。

また、乾電池式の商品は自宅に置いておく分にはいいですが、高温になる車では液漏れ・発火の可能性があるため、車載しないようにしてください。(参照:車載用・車中泊用のおすすめ防災グッズ・セットと安全面で注意すべきこと)
- 手回し式のラジオ
- 手回し式の携帯・スマートフォン充電器

手動発電LEDライト

「手動発電のライトもあった!」と思い手に取りましたが、蓄電タイプではないので、延々プッシュし続けないといけません。
これサイズ感あまりわからないかもしれませんが、手のひらサイズでライトは2個ついていますが、これでは明るさが足りません。
蓄電タイプでないと、延々とプッシュもしくはローリングしつづけないといけない。
ランタン

ダイソー・セリアまったく同じ乾電池式のランタンです。
ランタンは必要ないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、自宅避難をする際に停電したら、ランタンがないと真っ暗です。
災害時にローソクを使って火事になったケースが多く、消防庁がローソクを使用しないように呼びかけています。
とはいえ、屋外避難やアウトドア、サバイバルな状況で火は欠かせません。
ローソクは屋外や安全な場所・状況で使用し、屋内ではLEDランタンの使用をおすすめします。
リビングに一つは大きめのランタンを用意することをおすすめします。
4人家族で大小1つずつは用意しておきたいです。
我が家が購入した安価で明るいランタン
「GENTOS LEDランタン EX-V777D」購入レビューはこちら。

ウォーターバッグ(給水袋)


このウォーターバッグは、給水車から水をもらう時を想定したものです。
地震直後、断水になるまでの間にお水を汲んでおくのにも使えます。

断水時には、飲料水以外にも顔を洗ったり、清潔なお水が必要な場面は多々あります。
こちらのウォーターバッグは持ち出し用として防災リュックに入れておき、自宅避難用はより大きな容量の「ウォータータンク」を用意しておきたいです。
お水は1人1日3L必要ですので、10L以上のウォータータンクを用意しておけば、水の駅や湧き水スポットでお水を汲めますよ。

ホイッスル


ダイソーのホイッスルには、ライトもついています。
これはいいですね。
ダイソー、セリアともにストラップタイプです。

緊急ブザー

ダイソーの緊急ブザーです。
緊急サイレンとも言われますが、これもいい商品ですね。
ただし、ボタン電池が必要で、テスト電池が入っていますが、替えを持っておく必要があります。
これも電池が切れたら終わりなんですよね…。
キーホルダー式なので、首から下げるようにしておきましょう。
簡易携帯トイレ


ダイソーは2種類ありましたので、2つとも購入してみました。
ちなみにセリアでも2種類ありました。
1回分なので、1回使って終わり、1人あたりトイレ1日3回と少なく見積もっても、1日分で最低3つは購入しておきたいです。

そこで、私が強くおすすめするものは「驚異の防臭素材 BOS 非常用トイレセット」です。
子供のオムツ替えをしたことがある方はおわかりかと思いますが、通常のビニール袋は袋全体から臭いが漏れるため、数時間も経てば、そこら中に臭いが放出されます。

このBOSシリーズだけは、お母さん方に散々おすすめしてきて、みなさん愛用されてきました。
自宅避難の際にも断水で水が流せない場合、とても心強いです。

100均で簡易トイレを買う、もしくはすでに簡易トイレを持っている方は、袋のみバージョンの「驚異の防臭袋 BOS」が便利ですよ。

衣類圧縮袋



これ防災用として販売されているわけではありませんが、これで十分事足ります。
旅行用にも持っておくと便利ですし、自宅で衣替えの時にもスッキリ片付けられます。
レインコート


私が防災に関係なく、100均において個人的におすすめしない商品がレインコートです。

私は100均のレインコートを買って2日で破れた経験があります。
購入される方は、買った後に袋を開けて実用に耐えられるか、確認しておいてください。
レインポンチョ

着替えやトイレの目かくし用ポンチョとして使えないかと思って買いました。

生地の匂いも気になりますので、これならまだレインコートの方がいいと思いますが、おすすめはできません。
体ふきシート


体ふきシートは100均でも十分なものが手に入ります。
ノンアルコール、パラベンフリーです。
体ふきシートは防災リュックに入れて持ち出すだけでなく、自宅避難中に断水していてお風呂に入れない時に、強力なアイテムとなってくれます。
おすすめのからだ拭きシート

お湯のいらないシャンプーがあると、なお良しですね。

歯磨きシート

これいい商品ですね。
製造販売元を見る限り国内生産のようなので、それもなんとなく安心です。
何歳ぐらいから使えるのかわかりませんが、災害時に大人が使うだけでなく子供の虫歯対策として、お出かけの際に使うのもいいですね。
自宅避難時に断水になっても、これが歯磨きの代わりになります。
災害時は水の必要な「歯ブラシ&歯磨き粉」よりも歯磨きシートが重宝します。

救急セット


セリアはミニハサミ、爪切り、ピンセットのセット、ダイソーはミニハサミ、ピンセットがセットになっているものがありました。
防災メーカーで販売されている防災セットはこれらに加えて綿棒が入っていることが多いです。
100均で買うと、この救急セットでダイソー500円)、セリア400円(4点)になります。
ちょっと割高感がありますよね。
マスク


マスクは新たに買わずとも、ストックがあるご家庭も多いと思います。
マスクは特に冬の時期によく使うと思いますので、100均でなくても、ホームセンター、ドラッグストアで買ったものを何枚か防災リュックに入れる形でいいと思います。
軍手


ダイソー、セリアと違うタイプのものを買ってみました。
軍手はどこのご家庭にも割とあると思いますので、お持ちの場合はわざわざ買う必要はないと思います。
紙皿


余談ですが、100均の紙皿の品揃えはめちゃくちゃすごいです。
厚みがあって防水のようなしっかりしたものまでありました。
自宅避難の場合でもラップを巻いて食事をすれば、断水時でも洗い物不要で繰り返し使えますよ。
アイマスク、耳栓、エア枕


避難所、車中泊ではアイマスクや耳栓があるとずいぶん助かるはずです。
防災グッズは、防寒対策に気を配る方が多いと思いますが、睡眠対策も重要です。
災害時はメンタルが消耗していて、人が多く設備も不十分な環境下であるため、きちんと睡眠が取れないことが予想されます。
スリッパ


避難所での生活が長い場合はスリッパがあると助かりますね。
ただし、防災グッズとして必須アイテムではありませんので、リュックに余裕があれば入れる程度のものです。
私は買いましたが、スペースに限りあるので、防災リュックには入れません。
100均の防災グッズで足りないもの
- 保存水(保存水レビューページへ)
- 非常食(非常食レビューページへ)
- 手回し充電ラジオライト(ラジオ、充電器機能)(手回し充電ラジオライトレビューページへ)
- エアーマット、寝袋
- 目かくしポンチョ(着替え、トイレ用)
100均では単価が高いアイテムが揃わない

アイテム数が多いと揃った気になりますが、大事なのは内容です。

しかし、簡易トイレは3つは必要ですし、保存水、非常食は別で購入する必要があり、アイテムがほとんど乾電池やボタン電池式のため、それも大量に必要です。
それに、エアーマット、寝袋、手回しラジオ、携帯充電器を追加していくと、あっというまに10,000円程度になってしまいます。

我が家では10,000円程度の防災トップブランドの防災セット「SHELTER」を購入しました。
防災メーカーのものなので、1つ1つのアイテムが100均のものとは異なり、品質が高く、警察でも導入されている防災セットです。

また、簡易トイレは最初に行ったダイソー大型店には置いてなく、別の大型店に行ったら手に入りましたので、店舗や在庫状況によって品揃えは異なります。

ここまでお読みいただいてきたのでおおよそおわかりかと思いますが、100均では1つずつの商品が防災グッズとして機能しないものが多いです。
「防災用」ではなく、「日用品」や「トラベル用」を前提に作られているものなので、当然といえば当然のことですよね。

100均防災グッズを効果的に活用する方法
1.防災セットを購入し、100均のアイテムで補完する
2人家族、3人家族の場合、2人用、3人用という防災セットがあり、共通で使えるダイナモラジオライトなどは1つで、それ以外の非常食、保存水、簡易トイレなどが人数分入っている効率的に揃えられるセットがあります。
これを1つ購入して、不足分を100均の防災グッズを購入して組み込むのはいいですね。
大事なのは、「100均ベース」でなく「防災セットベース」です。


また、4人家族、5人家族の場合は、3人用と100均の防災グッズを組み合わせることで、4人用、5人用をリーズナブルに作ることもできます。
これが私が考える一番効果的な100均防災グッズの活用法です。

歯磨きシートなどを100均で買って追加するのもいいですね。
2.毎日持ち歩く防災ポーチを作る
100均の防災グッズは毎日持ち歩く防災ポーチに最適で、私自身も活用しています。
毎日持ち歩く防災ポーチをまとめています。
毎日持ち歩く防災ポーチに入れるおすすめの中身リスト【サイズ・重さも重視】
3.オフィス用の防災グッズにする
どこにいる時に災害が起きるかわかりません。
企業によっては防災セットを用意していたり、備蓄していたりしますが、大手企業のごく少数です。
それも全員に行き渡るかはわかりません。
自分を守るためにも、オフィスに簡易防災グッズを用意しておく上で、100均の防災グッズを使うのはいいと思います。
それでも、保存水、非常食などは別で必要です。

4.一時的な防災グッズとして活用する
災害が頻発すると人気の防災セットはすぐに品切れとなるため、注文しても納品までに数ヶ月かかる場合があります。
その際に、防災セットは予約注文しておき、届く前に災害が起きる場合を想定して、100均で「とりあえずのもの」を用意しておく手もあります。
防災セットが届いたら、100均の商品は備蓄用やオフィス用、車用にまわすといいですね。

100均防災グッズまとめ

しかし、その日用品・トラベル用品を「防災グッズ」として使うとやはり無理がありますし、せっかく「防災」の準備をしているのに、いざ災害時に使う時に使いにくかったり、使えないことも考えられます。
できるだけ防災メーカーの防災セットを1家族に1つは購入して、それをベースに家族全員分の防災セットを組み立てていくことをおすすめします。

